介護をする上で大切な仕事といえば、利用者へのレベルの高い介護技術の提供と日々の生活を安らかに過ごしてもらうことが挙げられます。それに加えて、重要視されるのが、接遇力の高い介護サービスの提供であり、しっかりした接遇を行うことで利用者やそのご家族からの信頼度アップにつながります。介護は接客業ともいえる仕事で、日々レベルの高い接遇の必要性があるので、介護事業所の多くで接遇マナー研修が実施されています。研修は、挨拶・言葉遣い・利用者様の目線に合わせた姿勢等を講師から教えてもらいます。その後は、実際の介護現場で活かせるように、職員同士でコミュニケーションを取ったり、ロールプレイングを行ったりして最適な接遇方法を考えるのが一般的な研修の流れです。
利用者の中には、自分の趣味の話や、若い頃の昔話などの話をするのが好きだという方は少なくありません。毎日接していると、ときには「この前もこの話聞いたな」と煩わしくなることもあるでしょう。しかし、そこで相手の思いに寄り添って傾聴することで、利用者から信頼される介護士となるのです。話を聞くことに集中しないで適当な相槌や愛想笑いをしていると、この介護士は信用が置けない人と思われる可能性もあります。忙しい時間帯以外は利用者との会話の時間をしっかり取ることも意識しておきましょう。
また、認知症の高齢者や要介護度が高い高齢者の場合は、意思疎通が十分に行えないケースが多々出てくるものの、手をやさしく握ったり笑顔で頷いたりすることも接遇面で大切な要素になります。利用者個々に寄り添ったコミュニケーションを取ることを心掛けましょう。